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多くの宝石輸入業者からの話を総合すると、今年はじめから宝石の現地価格が高騰している。特に高くなっているのが、ブラジル産の各種色石とコロンビア産のエメラルドで、昨年同時期と比較すると、共に2倍以上になっている。
エメラルド輸入業者はコロンビアに行っても、日本国内での販売価格を考えると1万ドルくらいしか買えず、出張経費もでない有様だということだ。
ダイヤモンドもじりじりと値を上げている。特に1カラット以上の、いわゆる大粒石の値上がりが著しい。国内で苦労して売るよりは、アメリカへ持っていった方が、すぐに高く売れるということで、インド人業者などが日本国内で仕入攻勢に出ているため、国内市場には在庫不足感が増している。
宝石価格の上昇も、原油や貴金属地金の高騰を受けたもので、基本的には中国、インドなど新興国群の需要増加と、ドルに対する信任低下の現れと言える。加えて、日本ではようやく不動産価格が上昇の兆しを見せており、人民元の切り上げによる輸入価格の上昇も予想されるなど、長く続いたデフレから、一転してインフレ傾向になりつつある。
このため、今秋からは国内でも、ダイヤモンド、色石とも値上がりが予想される。 |
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