AGLはJJAの要請に同意せず |
2002年11月30日 |
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11月27日開催された宝石鑑別団体協議会(AGL)理事会で、日本ジュエリー協会(JJA)が要請したパパラチャ鑑別の経過措置については同意せずに、次のような理由を挙げて新ルールへの移行を急ぐことに決定した。
現行の鑑別ルールでは、宝石の着色原因が外部要因によるものであれば鑑別結果が処理石となるが、これは本来、重元素を想定していたものであり、ベリリウムや水素のような軽元素を想定していなかった。今回の新技法でも、クリソベリルと一緒に加熱すれば必ず色変化が起きるものではないなど、色変化のプロセスが明らかになっていないので、ベリリウムが着色原因であるとの確信が持てない。万一、着色原因でないということになったら「処理石」鑑別は誤りになってしまう。
非破壊検査で鑑別可能なのはリム(RIM = 石の外縁部に沿った色層がある程度の厚みを持っている)構造がある石だけであり、石の中心にまで色変化が起きてしまったものや、処理後リカットされてリムの一部分だけを残したものについては鑑別不可能である。現行ルールでは、処理してある石の場合、「処理石」か「エンハンスメント」にしか分類できないため、今回のように単純な加熱か外部要因による色変化か分からず、鑑別が非常に難しい石については、鑑別そのものを引き受けられないが、新ルールにすれば、「加熱処理 または/および 外部からの拡散を伴う加熱処理」というような表記が出来る。
AGL では新技法サファイアについては鑑別受付中止を継続させ、JJA が同意しなくともAGLだけで鑑別ルール改正作業を進めるとしている。
これに対してJJAでは、この問題については長期間にわたって審議してきており、「JJA 理事会の決定は非常に重みのあるもの」で、AGL
が同意しなかったからといって理事会決定を覆すことは考えられず、説明会を開催するなどして、業界に対して理解を求めることを考えている。一部週刊誌では既に情報を把握しており取材を進めている。 |
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