タイ、コランダム処理の情報公開へ |
2003年3月8日 |
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2月19日、タイのチャンタブリ宝石協会(Chanthaburi Gem & Jewelry Association
= CGA)は、コランダムに対してベリリウムを使用して色の改良を行なっていると公式に認めた。CGA
の会議では、主要メンバーがツーソン宝石見本市で行なわれた会議の結果について議論し、出席した60人全員が満場一致で次の決定に賛成した。
(1) コランダムの色の改良のために行なわれる新加熱法では「るつぼ」に意図的にクリソベリルを入れていること。
(2) 協会会員は顧客に販売するに際して、旧来の加熱法と区別して新処理法を情報開示しなければならないこと。
2月24日、CGA は情報開示に当たって、N(無加工天然)、E(エンハンスメント)、T(トリートメント)という従来の3分法に A(間接的トリートメント注)を加えた4分法を発表し、会員に対しては、この情報開示システムを顧客との取引きに使用するよう求め、万一違反した場合は除名することにした。
新しい4分法の詳細は次の通りである。
N Natural Unheated Corundum
E Thermal Enhancement
A Thermal Enhancement of Corundum together with Other Minerals in an Environment
that ALLOWS
Inducing of Beryllium and Other Elements into Corundum
T Treatments
このように、タイでは今後きちんと新処理法のコランダムとして販売されるようになるので、鑑別表記の問題が未解決の状態であっても、新処理法のコランダムについては旧来の加熱法と区別して販売することが求められるだろう。
注 原文を読めば分かるとおり「間接的トリートメント」は意訳で、コランダム以外の鉱物と一緒に加熱することによって、ベリリウムなどの元素がコランダム中に滲入するようになってしまうような加熱法のことである。 |
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