合成ダイヤの鑑別はどうなる 1999年12月11日
1999/12/8 既報のジェメシス社の合成ダイヤモンドは本当に鑑別可能なのかどうか。重大な問題なので鑑別専門家に聞いてみた。まず、「ジュエリーニューズアジア」に掲載されている GIA Gem Laboratoy の鑑別部門副社長Thomas Moses 氏によれば、このダイヤはロシアの技術を基にしたものであり、ロシア製合成ダイヤは鑑別可能だから、このダイヤも可能であろうと述べている。日本の専門家S氏によれば、ホワイト系の合成ダイヤの生産に成功したと言うことは、多分GE-POL ダイヤ(1999/4/24 既報)と同じ技術を使っているし、これまでの合成ダイヤは製造過程で必ず金属がインクルージョンとして入ってくるから、鑑別は十分可能だと述べている。しかし、もう一人の日本の専門家H氏は、一個ずつ鑑別するならば可能かも知れないが、ダイヤは鑑別よりも4C鑑定として依頼されることが普通である。伝えられるようにVVSやVSクラスの石では、大量の鑑定の流れの中では見過ごしてしまう可能性があると危惧している。今の段階では実物を見ているわけではないので何とも言えないが、ダイヤの鑑別鑑定の仕方に十分注意しなければならないだろう。特に他社のソーティング袋を基に、鑑定書の即時発行をしているような鑑別会社の鑑定書は要注意であろ


合成ダイヤいよいよ実用化か

1999年12月8日
外国の宝飾専門誌「ジュエリーニューズアジア」によれば、米国フロリダのジェメシス・コーポレーション社は、ロシアから技術導入して生産された合成ダイヤを2000年1月からタイで小売り販売することにした。合成ダイヤの開発に当たっては、ロシアから技術導入すると共に、フロリダ大学と提携し、技術の確立に3年を要したということだ。フロリダ大学はジェメシス社の株主にもなっているとのこと。原石のサイズは 1.30カラットから 1.60カラットで、研磨後は0.50 カラットから1.50 カラットのダイヤになるという。カラーグレードはGから J、クラリティーはVVS2からVS1クラスだという。同じクラリティ、同じカラー、同じサイズでコンスタントに生産できるとのことである。  現在の生産量は月間50個から100個程度であるため、製品として販売することにしたとのことだが、生産量が増大すれば裸石だけでもロシア、中東、米国へ販売する予定だという。価格は合成モアッサナイト以上天然ダイヤモンド以下とだけしか言わず、具体的に明らかにはなっていない。鑑別では合成だと見破ることは出来るということである。 (以上は時宝光学新聞1999年12月1日号および Jewellery News Asia 誌11月号の要約)それにしても、今までは黄色いダイヤしか合成できなかったのであまり問題にされてこなかったか、あるいは故意に事実から目を伏せていたか知らないが、この報道が事実とすれば、合成ダイヤについてどう対応すべきか、早急に結論を出さなければならないだろう。


ダイヤモンド国際価格上昇 1999年11月19日
ダイヤモンドの主要集散地ベルギーの業界団体 HRD(ダイヤモンド・ハイ・カウンシル)の発表によれば、10月の販売価格指数は、1カラットのダイヤモンドでは前月比0.1ポイント上昇して280.3 となった。今年はじめは270であったので9ヶ月で10ポイント余り上昇したことになる。0.5カラット石でも同様の傾向である。デ・ビアスが大粒を中心に供給を抑制している反面、米国の需要は引き続き堅調で、日本の輸入量も回復傾向にあるためだろう。貿易統計によると、9月のダイヤモンド輸入量は前年同月比33.2 %増で、昨年11月以来11ヶ月連続で前年実績を上回っている。
(日本経済新聞 11/19 朝刊)>


ダイヤの4CがISO規格になる? 1999年4月24日
ISO(国際標準化機構)ではダイヤモンド・グレーディングを世界統一基準にすべく準備を進めている。 これはヨーロッパ各国のダイヤ業者が中心となって進めてきたもので、現在最終案の審議中である。グレーディング用語は現在日本で主流となっているGIA方式を使用しているが、カラー・マスターストンなどで、微妙に日本標準と違っているので、原案通りにISO規格が定められると混乱が予想される。 日本も JJA(日本ジュエリー協会)宝石部会を中心として反論書を作成し、工業技術院を経由してISO事務局に送付する。 しかし米国がISOに正式加盟していないという不利があり、このままでは原案通り決まりそうな情勢だ。 そうなると来年1月頃にはISO規格となる。


ダイヤのカラー品質改良技術が発明された 1999年4月24日
ジュエリー業界に一大事が発生した。1999 年3月7日米国の有名なダイヤ価格調査会社のラパポート社が発表した。 ダイヤモンドのカラーグレードを飛躍的に改良する方法をゼネラル・エレクトリック社が開発した。 H カラーがEカラーになるのだから事は重大だ。 全てのダイヤのカラーが改良されるわけではなく、およそ7%のダイヤに処理できるという。 この処理方法は、米国の特許制度が先発明主義と言うこともあってGE社は特許を出願していないため解明されていない。 GE 社は、「この処理方法は全く痕跡を残さないため、現在も将来も処理石かどうかを見破ることは出来ない」と豪語している。 GIA は「処理石にGIAの鑑別書を付けてもらいたくない」とお手上げを表明している。 GE 社の処理ダイヤはラザール・カプラン社の子会社がGE社と10年間の独占契約を結び今年4月から世界中のディストリビューターに販売するという。 間もなく日本にも処理ダイヤが入ってくるだろう。








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